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2026/02/13(金)
初診の患者様の予約枠の空き状況をお伝え致します(電話予約です)。
2月16日からの週は、20日金曜の夕方に枠がございます。
当院は北海道・札幌でも唯一の精神腫瘍科クリニックで、がん告知やがん治療の辛さで心理的に落ち込んだ患者様や支えるご家族様、がん等でご家族を亡くされてお辛いご遺族様には特に長く時間をお取りして対応させて頂いております。
乳がん婦人科がんの患者様を多く診察させて頂いてきて、術後のホルモン療法による更年期的症状に悩む多くの患者様に関わらせて頂いておりますので、更年期のうつ・イライラや発汗や月経前症候群の患者様の診療も多く拝見致しております。
初診枠は30分以上のお時間を空けてご用意しております。
かかりつけ患者様で悪天候や体調不良や急用などで先週受診できずに薬が不足しそうな方には短時間診察ですが処方いたしますので、事前に来院時間相談のお電話を下さいますようお願い致します。
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2026/01/09(金)
当院では丁寧にお話を伺うことを基本としております。精神疾患ではないストレス反応であってもストレス要因について言葉にしてみるだけでも楽になることがございます。不安・焦り、対人緊張、広場恐怖、閉所恐怖、うつ状態・自信喪失、不眠や悪夢、ムズムズ足、パニック発作、自律神経失調症、心身症、月経前や更年期の不調、身体疾患やその治療薬の副作用による抑うつ・不眠など、お気軽にご相談ください。
精神腫瘍科ではこころの緩和医療として、がん患者様・ご家族様・ご遺族様の心のケアを行っております。がん以外の身体疾患を抱えた患者様に関しても同様であります。また、ペットロスで悲しまれている方のお話もお聴きしております。
薬は依存性や副作用に気を付けて十分にご説明して最小限とし、回復にあわせて減量・終了としており、お薬無しでの通院患者様も増えています。(依存性のある眠剤や抗不安薬では意識障害が起き易くなりますし、重たい副作用が心配される気分安定薬などは、医師1人で外来だけの当クリニックでは処方は控えております)
辛くてもどうにか働けたり通学出来ているけれど、頑張りすぎたり自分を責めるマイナス思考で悩んでいる方には、辛いお気持ちを言葉で吐き出して頂き、仕事や学校や社会活動を楽にこなすために一緒に考えていくことでお役に立てるかもしれません。
なお職場での休職や現実的な環境調整や上司の方との相談や労使調整が必要になる方に関しては、当院の専門は精神腫瘍科なので産業医的な業務やリワークを行っている病院のようなサポートは難しいと思われます。初診ですぐに確定診断をつけることは難しい場合が多く、診断書に関しては明確な精神疾患と判断された場合にのみ発行いたしますが、1~2回の診察だけでは判断できない場合が少なくありません。どうぞご了承下さい。
地下鉄も市電も近く、小さめのビルで人に会うことは少なく、待合室では他人が気になりにくい構造で、お名前は呼ばず番号で御呼びするなどプライバシーに配慮しておりますので安心してお越しください。
診察後に質問やご相談ごとが生じても応じられるように、初診時は医療スタッフが診察に同席しておりますが、同席しても良いかを伺わせて頂き患者様のご希望によっては外しております。 再診時は医師のみです。
なお、長く精神科救急や入院治療を担当してきた経験から考えますと、入院が必要そうな方は、当院では提携精神科病院が無く、見つかってもいざ入院の際にご家族や知事・市長なども関わる法的な手続きが必要な場合もあり、外来クリニック経由ではなく初めから病院に相談された方が良いと思われます。どうぞご了承くださいませ。
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2025/09/28(日)
9月27日土曜に北海道精神分析研究会主催で、京都の太子堂診療所・東洞院心理療法オフィスの北村婦美先生をお招きして、研修会を開催しました。
北村先生は、精神分析的な視点からのジェンダーやマイナリティの領域でのご活躍で有名な先生です。
精神分析の創始者はフロイトで、19世紀のヨーロッパだったので、男性優位社会の中で精神分析を創作し始めました。ですから、初期の精神分析理論は男性優位な思想がベースにありました。女性や、男女では区分できないジェンダー特性のある人たちはマイナリティとして認識されていた時代でした。同時に、当時のユダヤ人は、その後のナチス台頭による排斥の歴史が語るように、マイナリティ的な扱いを受けるようになっていきましたが、フロイト自身がユダヤ人であり、実際に家族親戚は殺されてしまった人もいたし、自身もギリギリのところでロンドンに亡命して命拾いしています。
このように精神分析の思想の流れ・変遷では、ジェンダーやマイナリティをどのように捉え、どのように関わってきたのか、また、現代社会においてはどうなのか、どうあるべきかを丁寧なご講義でご説明頂きました。対人援助職にとって、全ての人に開かれた視点・観点や実践の大切さを学べた素晴らしいご講演でした。
事例検討でも、レベルの高い見立てを解り易い言葉で優しく伝えて下さり、受講者にとって良いお手本を示して下さり、素晴らしいご講演でした。
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2025/07/31(木)
7月21日休日に、神戸の甲南大学心理学部教授の富樫公一先生をお招きして、北海道精神分析研究会の研修会がありました。
富樫先生は早くからアメリカで活躍され、日本の精神分析的な心理士としては最もインターナショナルな方で、英語での論文は最も多い方で、かつ欧米で高く評価されていらっしゃいます。若くして初めて渡米された時には、まだ英語がそれほど出来ないまま行かれたそうで、恐らく相当努力されたのだと思います。でもご苦労を表には出さないスマートな格好良さも感じさせられる方です。
ご講義の題目は「精神分析の倫理的転回」という難しい題でした。内容は、心理士やカウンセラーや精神科医は、患者さん・クライアントさんと心理療法・精神療法をしますが、患者さんと治療者の関係性にはおのずとヒエラルキー的な感覚が生じたり、いわゆる相性の問題やその他さまざまな治療者側からの影響も含めた相互に影響し合う何かが存在するはずです。それを認識できないで、その場で患者さんが感じていることや思い浮かんで語ることや様子などには、患者さん側の問題だけではなく治療者にも責任の一端があるはずで、そこを謙虚に把握しつつ相互関係も念頭に置いて心理療法・精神療法全体を理解するよう努めましょうというような内容のお話でした。これは最も大事な事であります。精神分析系の精神科医や心理士は、先輩格の先生からスーパービジョンを受けたり、長時間の事例検討会で発表したりして、自分が行っている治療法やカウンセリング経過を露わにし、色々なコメントを受けます。時に厳しいコメントを受けたりして苦しむのですが、そのようにして治療者自身の傾向やクセを知ることで、自分がどんな時にどんな影響を患者さんに与えてしまうのかを認識しつつ、逆に患者さんから自分が受ける影響も認識し、更にはその二人の空間から現れる第3の何かも意識しながらカウンセリングするのと、そうではなく自分流を押し通すとでは進み方や成果も変わってくると思います。とても大事なことを学ばせて頂きました。
また富樫先生は、精神分析の様々な流派の中でも、関係論学派・間主観性学派に造詣が深く、その基盤となった自己愛理論や自己対象理論も解り易く解説して下さり、非常に勉強になりました。
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2025/06/27(金)
今月は、北海道精神分析研究会でご遺族外来の患者様との関りについて症例発表しました。毎年発表していますが、1例について3時間かけて検討するという大掛かりな勉強会で、医学系ではまず無いことです。心理学系の精神分析的なグループではたまにありますが、それでも少ないと思います。準備には何か月も掛けてのぞんでいます。もちろん誰の事なのかは分からないように、匿名は勿論の事、年齢、住所、職業、関係した病院名や地名までも隠して、ご本人様からは事前にご許可得ての発表です。
今回の患者様もご家族を亡くされて、抑うつ状態で受診されたのですが、ご家族が亡くなられてから受診するまでには数か月開いていました。遺族外来では決して珍しいことではありません。直後や前後での精神的な悲しみや混乱が想定されるのですが、葬儀や役所手続きや各種契約の解除や変更や方々への連絡などなど「様々な仕事に追われて落ち込む暇が有りませんでした」と仰るご遺族も比較的多くいらっしゃいます。四十九日が済んだり、一通りの手続きや弔問客の流れに一区切りついてから、それまでの疲れに重なるように悲しみや抑うつや様々な苦しい感情が沸き起こってくることも少なくないようです。
また、単にご家族が亡くなって悲しいというだけではなく、それまでの故人との長い歴史の中での様々な場面や出来事や、それらに伴う複雑な感情がじわじわと実感されることもあるようです。また、これは精神分析的な領域になりますが、長く面談に通い続けているうちに、より深層の無意識での感情や思考が見えてくることもあります。精神分析はやり方や頻度や時間など多くの決まり事を満たすものだけがフロイト時代からの伝統的な正当な精神分析という厳しい決まりがあるのですが、それを遵守できていなくても、現場ではご遺族やクライアント様(面接を受けている患者様)に応用できるような気がして、院長は1990年代から自分なりの考えや流儀で臨床を続けてきて、2000年以降は北海道の研究会で発表もするようになりました。そうするうちに、2020年代から日本精神分析学会でも「応用編」が出来て、そこにはこの様な分野も含まれるようになってきたので去年発表してきました。そちらでも有意義な討論が出来ましたし、このような活動には多くの共感が得られました。それが叶ったのはこうして北海道の研究会で発表させて頂き学ばせて頂いているからですし、それが可能なのは、このような勉強会に症例・事例として発表させて頂いた患者様方(これまで10人以上発表させて頂きました。ほかにも発表のご許可をくださった患者様は500人以上です)の存在とご理解とご協力があってのことです。心より感謝し、私達はもっとよい援助や医療を提供できるよう精進していきます。
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2025/04/30(水)
先日北海道新聞さんが、「精神腫瘍科・遺族外来・家族外来」に着目して下さり、取材をして下さいました。4月27日日曜日の朝刊に掲載して下さいました。
「精神腫瘍科」は、がん患者さんやご家族やご遺族の心の問題をケア・サポートさせて頂く診療科です。いまだに全国的にも数が少ない珍しい分野で、標榜している病院はまだ殆どありません。内科など他科と連携するリエゾン精神科のなかの一つでもあり、緩和医療の一つでもあります。医療者の中でも認識は高くなく、一般の方々の中では殆ど知られていません。
院長は1980年代からこの分野に関心を持ちました。医学の道に進んでからも、東京・神奈川で、聖路加病院で有名な日野原先生が作ったホスピスに実習に行けたり、日本のリエゾン精神科・精神腫瘍科臨床のパイオニアである保坂隆先生や堀川直史先生の下で直接その臨床や知識を学べる機会に恵まれ、2002年に北海道に移動してからは自力で開拓してきました。シンプルに精神医学の一分野とはみなさず、スピリチュアルな分野や哲学や宗教など各分野とも協働が望まれると思っています。2016年にはニューヨークに研修にも行くことが出来ました。今は学会レベルでこの分野を学ぶことが出来るようになりましたが、まだまだ担うドクター・セラピスト・ナースなどが少ないので、今回の北海道新聞さんの素晴らしい記事で広がっていくことを願っています。
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2025/04/01(火)
優しさと笑顔を大切に日々の診療にあたらせて頂いております。
2017年4月に開院して8年が経ちました。精神腫瘍科・一般診療科連携精神科医ということで市内の総合病院やがん治療病院や緩和ケア病院等からご紹介のがん患者様やご家族やご遺族様が沢山いらしております。がん以外の疾患でも、内科・婦人科などの身体科からご紹介される心身症や更年期障害や慢性疾患などにうつ・不安・不眠が重なっている患者様の割合も増えてきております。そのため、別項に書いたように感染対策には力を入れております。
新患様の受付は週によって混んでいますが、たまに、キャンセルが発生して急遽前日や当日でも可能なことも御座います。
様々な感染症や世界情勢の不安定さや景気の低迷でうつ状態や不安になりやすくなっておりますが、隠れたうつ病に気づかず、「このくらいの事は我慢すべきと思っていたので受診をためらっていた」と仰る方もいらっしゃいます。しかし、どの病気も早めの治療が大切ですから、どうぞお気軽にお電話下さいませ。「がん患者さんやがん患者さんのご家族ご遺族しか診ないのですか」とのご質問がございますが、当院は心療内科としてがん以外の患者様(うつ状態、不安、不眠、確認行為などの繰り返す強迫症状、潔癖症、ストレス性のめまい、パニック障害の動悸・息苦しさ・過呼吸、対人緊張による閉所恐怖や広場恐怖、胃腸障害、頻尿、月経前の気分の障害や更年期のうつ、足のムズムズなど)も診ております。ただし、職場との込み入った交渉や裁判の相談などは産業医の先生がいる機関等の方が良いかもしれません。初診ですぐに診断書をお書きできることは少ないです。当院では時間を長くかけた診察は、がん患者様やそのご家族様、御遺族様を優先しております。
なお、お薬が出る場合には禁酒をお願いしております。運転も控えて頂くようお願いすることが御座います。どうかご了承くださいませ。
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2025/03/10(月)
国の方針で2023年からマスクに関しては開放的になっております。しかし、当院は精神腫瘍科で、免疫力が低下しやすいがん患者様(特に抗がん剤治療中の患者様)が毎日受診されていますので、引き続き不織布マスクの着用を立ち入りの条件とさせていただきます。
多くの医師や医療の現場と国の見解は開きがあるようです。一般の皆様でも多くの方が「もうマスクはいいや、外したい」と思っていらっしゃると思います。色々なデータがありますが、医療現場では昔から手術や清潔操作が必要な場面ではマスクは必須ですし、呼吸器感染症を防ぐのに効果があることは明らかです。諸外国では既にマスクを外していますが、新型コロナ感染症での死者数と国の人口から見ると、死亡率は日本に比べて4~40倍です。これだけの数の主に基礎疾患がある方やご高齢の方々が亡くなっているという事です。免疫力が強い若い方々には「新型コロナも普通の風邪と同じようなもの」かもしれませんが、病院に来る方々にとってはまだまだ脅威なので、ご理解・ご協力のほど宜しくお願い致します。
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2025/02/21(金)
2025年2月11日休日に、北海道精神分析研究会が主催する研修会がありました。今回は、あざみ野心理オフィス代表の臨床心理士:岩倉拓先生のご講演と、午後は事例発表のコメンテーターをして頂きました。岩倉先生は今年秋の日本精神分析学会で大会長をされます。
テーマは「逆転移」についてで、これは大雑把に言うと治療者(医師やセラピスト)から患者さん・クライエントさんへの感情の事です。似た言葉に「転移(がんの転移ではなく、心理現象の転移)」があり、これは患者さんが自分の心の特に無意識領域にある感情を治療者に向ける現象などを指します。例えば、今はもう忘れているけれど、幼少期に母親に大事に抱っこされた時のような優しく安全な雰囲気の中で受け止めてもらえた感情や、逆に思うように対応してもらえずに寂しかったり不愉快だった感情などがあります。患者さんと治療者は感情のある人間どうしなので、お互いに対して様々な感情が生じるのですが、その中でも普段はなかなか気付かない過去の親などに向けていた無意識の感情をそれぞれ「転移・逆転移」と言います。これは、100年以上前に精神分析が出来たころには良くないもの、排除すべき感情と見られていましたが、時代とともに、それを探って無意識領域にしまわれている葛藤に気づいた方が、患者さん・クライエントさんの本質的な悩みや問題を見つけやすいとみなされるようになってきました。ただ、理論的にも複雑で難しいのですし、現場でも治療者自身が自分の無意識の感情に気づくことは不可能なので、自分の診療過程を指導医からスーパーバイズしてもらったり、学会・研究会で発表して上級の先生からコメントを受けるなどの研鑽が必須となります。また、訓練分析とか教育分析といって治療者自身が自分自身の無意識傾向を知るために上級医からの分析を受けることも望まれていますが、日本全体や世界でも、ここまで大変なことをしている人はあまりいません。
いずれにせよ、精神療法(カウンセリング)で最も大事で肝となる「逆転移」を学べて良かったです。
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2024/11/14(木)
11月の上旬に名古屋国際会議場で日本精神分析学会があり、発表してきました。
これまでの精神分析学会は、症例報告は、患者さんの心の内側や対話する精神科医との関係性に映し出される要素を静かに内観して探求していくという方法に限られていました。確かに、このような厳密な方法でしか無意識レベルの深い部分まで視ていくことは出来ないと思います。厳密な方法は週4回以上50分でカウチ(寝椅子・ソファ)に横になってというものです。しかし、現実に今の日本(他国でも)で、そのような時間のある患者さんはほとんどいませんし、費用もかなりかかってしまいます。それでも、1900年ころにフロイトが精神分析を始めて以降の120年に蓄積された知識や理論は、患者さんを理解する上では重要なものが多いので、近年は「応用編」という分野が出来ました。
院長が専門とするサイコオンコロジー(精神腫瘍学)では、多くの患者さんはがんを抱えて不安や精神的苦痛を感じておられますが、其々の感じ方やご性格や生い立ちや生活環境からの影響を受けてのことですし、がんになったことが患者さんの人生そのものや考え方や価値観や性格にも大きく影響することがあります。また、そのような患者さんと関わらせて頂く私ども医療従事者の心も無意識レベルや深い部分で揺れ動き苦しくなることがあります。これらを考察するには、精神分析的な理解や知識を応用することは役に立つと思います。
今回、すでに天国にいらっしゃる某患者様が生前に、「これから院長が出会う患者様や、院長とともに学ぶ医療従事者たちの役に立てるなら、(プライバシーに配慮した上で)症例として発表してください」と言って下さったので、発表させて頂きました。内容はここでは省略させて頂きますが、院長の勉強になったことは勿論、全国から集まっていた多くの精神科医や心理士や医療者にとっても良い学びが出来たとの声をたくさん頂きました。これからも誠実な医療を心がけていきたいと思いました。