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2024/04/26(金)
初診の患者様の予約枠の空き状況をお伝え致します。
2024年4月29日からの週はGWで混んでおり、既に埋まっております。お急ぎの患者様には申し訳ございません。
かかりつけ患者様で悪天候や体調不良や急用などで先週受診できずに薬が不足しそうな方には短時間診察ですが処方はいたしますので、事前に来院時間相談のお電話を下さいますようお願い致します。
当院は北海道・札幌でも唯一の精神腫瘍科クリニックで、がん告知やがん治療の辛さで心理的に落ち込んだ患者様や支えるご家族様、がん等でご家族を亡くされてうつ状態のご遺族様の為に長い時間をかけた面接をしており最優先で対応致しております。年々がん治療病院様などからのご紹介が増えておりますが、その分それ以外の患者様のご予約は難しい場合があり、ご気分を害された場合は申し訳ございません。
なお、初診枠は30分以上のお時間を空けてご用意しておりますので、キャンセルされた場合には以後のご予約は難しくなる場合もございます、ご了承下さいませ。
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2024/04/02(火)
優しさと笑顔を大切に日々の診療にあたらせて頂いております。
2017年4月に開院して7年が経ちました。精神腫瘍科・一般診療科連携精神科医ということで市内の総合病院やがん治療病院や緩和ケア病院等からご紹介のがん患者様やご家族やご遺族様が沢山いらしております。がん以外の疾患でも、内科・婦人科などの身体科からご紹介される心身症や更年期や膠原病や慢性疾患などにうつ・不安・不眠が重なっている患者様の割合も増えてきております。そのため、別項に書いたように感染対策には力を入れております。
新患様の受付は週によって混んでいますが、たまに、キャンセルが発生して急遽前日や当日でも可能なことも御座います。
様々な感染症や世界情勢の不安定さや景気の低迷でうつ状態や不安になるのは当たり前と思ってしまいがちです。隠れたうつ病に気づかず、「このくらいの事は我慢すべきと思っていたので受診をためらっていた」と仰る患者様もいらっしゃいますが、どの病気も早めの治療が大切ですから、どうぞお気軽にお電話下さいませ。「がん患者さんやがん患者さんのご家族ご遺族しか診ないのですか」とのご質問がございますが、当院は心療内科としてがん以外の患者様(うつ状態、不安、不眠、確認行為などの繰り返す強迫症状、潔癖症、ストレス性のめまい、パニック障害の動悸・息苦しさ・過呼吸、対人緊張による閉所恐怖や広場恐怖、胃腸障害、頻尿、月経前の気分の障害や更年期のうつ、足のムズムズなど)も診ております。ただし、職場との込み入った交渉や裁判の相談などは産業医の先生がいる機関等の方が良いかもしれません。初診ですぐに診断書をお書きできることは少ないです。当院では時間を長くかけた診察は、がん患者様やそのご家族様、御遺族様を優先しております。
なお、お薬が出る場合には禁酒をお願いしております。運転も控えて頂くようお願いすることが御座います。どうかご了承くださいませ。
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2024/03/30(土)
3月の日曜日に、院長が所属している北海道精神分析研究会の主催で講演会がありました。講師は札幌の安岡譽先生でした。日本精神分析学会でも全国的にもご活躍されていた長老格の先生で、1980年代から90年代は日本を代表する精神科医で精神分析医の福岡大学医学部長だった西園正久先生の下で臨床に研究に教育にとご活躍され、北海道に帰られた後も2003年には日本精神分析学会の大会長を担われました。精神科医であると同時に大学・大学院では心理学教授として長く後進の育成もされてきました。今回のご講演は、そのような豊富なご経験を現場経験を交えながらのお話で、2時間があっという間に過ぎてしまいました。院長は司会を担当いたしました。会場も新型コロナ対策で人数はある程度制限したものの満員でした。精神分析理論は難しいものが多く、また、面談する環境やスタンスは厳密で厳しいものなので、専門家の方は厳しい雰囲気で理屈っぽくて一筋縄ではいかないといった印象を持たれる方も少なくないのですが、安岡先生は非常に優しく丁寧な方で、患者さんや指導を受ける後輩の精神科医・心理士に安心感を与える能力に長けた方です。ご講演でも、学術的にも大変勉強になるお話は勿論の事、参加者全員が明日からの臨床では患者さんに優しく丁寧に頑張ろうという気持ちになっていて素晴らしかったです。ご高齢ですが、これからもお元気で、我々をご指導して頂きたいと思いました。
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2024/03/25(月)
当院では丁寧にお話を伺うことを基本としております。精神疾患ではないストレス反応であってもストレス要因について言葉にしてみるだけでも楽になることがございます。不安・焦り、対人緊張、広場恐怖、閉所恐怖、うつ状態・自信喪失、不眠や悪夢、ムズムズ足、パニック発作、自律神経失調症、心身症、月経前や更年期の不調、身体疾患やその治療薬の副作用による抑うつ・不眠など、お気軽にご相談ください。
精神腫瘍科ではこころの緩和医療として、がん患者様・ご家族様・ご遺族様の心のケアを行っております。がん以外の身体疾患を抱えた患者様に関しても同様であります。また、ペットロスで悲しまれている方のお話もお聴きしております。
薬は依存性や副作用に気を付けて十分にご説明して最小限とし、回復にあわせて減量・終了としており、お薬無しでの通院患者様も増えています。(依存性のある眠剤や抗不安薬では意識障害が起き易くなりますし、重たい副作用が心配される気分安定薬などは、医師1人で外来だけの当クリニックでは処方は控えております)
辛くてもどうにか働けたり通学出来ているけれど、頑張りすぎたり自分を責めるマイナス思考で悩んでいる方には、辛いお気持ちを言葉で吐き出して頂き、仕事や学校や社会活動を楽にこなすために一緒に考えていくことでお役に立てるかもしれません。
なお職場での休職や現実的な環境調整や上司の方との相談や労使調整が必要になる方に関しては、当院の専門は精神腫瘍科なので産業医的な業務やリワークを行っている病院のようなサポートは難しいと思われます。初診ですぐに確定診断をつけることは難しい場合が多く、診断書に関しては明確な精神疾患と判断された場合にのみ発行いたしますが、1~2回の診察だけでは判断できない場合が少なくありません。どうぞご了承下さい。
地下鉄も市電も近く、小さめのビルで人に会うことは少なく、待合室では他人が気になりにくい構造で、お名前は呼ばず番号で御呼びするなどプライバシーに配慮しておりますので安心してお越しください。
診察後に質問やご相談ごとが生じても応じられるように、初診時は医療スタッフが診察に同席しておりますが、同席しても良いかを伺わせて頂き患者様のご希望によっては外しております。 再診時は医師のみです。
なお、長く精神科救急や入院治療を担当してきた経験から考えますと、入院が必要そうな方は、当院では提携精神科病院が無く、見つかってもいざ入院の際にご家族や知事・市長なども関わる法的な手続きが必要な場合もあり、外来クリニック経由ではなく初めから病院に相談された方が良いと思われます。どうぞご了承くださいませ。
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2023/12/23(土)
12月3日に北海道精神分析研究会主催で、兵庫教育大学心理学科の上田勝久先生をお招きしての研修会がありました。対面ですが、医療関係者も多い集まりなので、ほぼ全員がマスクしていて、換気も気をつけながらの安全な勉強会でした。
上田先生はご専門は精神分析の臨床心理士の先生で、学会では賞を受賞されたり、本も何冊も出されたりと大変ご活躍の先生で、心理療法や精神分析関係の専門家の間では有名な先生ですが、気取ったところや気難しい感じは無く、運営委員皆さんとざっくばらんに交流して下さりました。運営委員の間では、上田先生の最新の本をみんなでZOOMで勉強会をしておいての12月3日でした。いわゆる心理療法と言っても、細かく分けると何百種類もあると言われておりますが、上田先生はそれらの特徴を大きくとらえて3つ4つのグループに分類し、分かり易くも深く考察されており、理論の整理にとても役立ったと思います。
研修会の午前中のご講演では実際のクライアント(患者)さんとの臨床経験も交えて分かり易くご説明して頂きました。当院長は司会を務めさせていただき、より専門のリエゾン精神医学的な側面からは質問を含めた意見交流もさせていただき、良い勉強になりました。午後には北海道の心理士さんの臨床経験を一緒に考える事例検討会もして頂きました。こちらも分かり易く、かつ要点の着眼も素晴らしく、参加者の皆さんからも評判が良かったです。 スタッフの方々は準備などは大変だったと思いますが、感染症の状況を睨みつつ、このように安全に直接に交流できる勉強の機会が増えることを強く願います。
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2023/11/19(日)
コロナ禍での制限が緩み始めて、医学系の学会もWEB開催から現地開催(もしくはハイブリッド)に戻ってきました。当院長は様々な専門医・指導医・指定医・登録医資格を所持しているため、定期的に学会に参加したり指定の研修を受講しなくてはならず、北海道のある研究会では役員なので全国学会でご活躍の各地の先生方との交流も維持する必要があり、今年は学会参加が多くて大変でした。一応札幌以外に出た場合は、帰道後すぐに新型コロナ抗原検査をして陰性確認しております。
精神分析学会では、珍しくがん患者さんへの関わりを数人のカウンセラーが発表していたので参加し、活発に意見交換してきました。それ以外にも、心の状態が悪くて家族や支援者にも素直になれないような若いクライアントさんの関わりを全国の仲間と共に考え悩み勉強してきました。理論的に日本の学会をリードする先生の学術的に厳しいご意見も聞けて、刺激になりました。
リエゾン精神医学の学会では、毎年為になる発表が多く、また、勉強熱心な先生や臨床を頑張っている全国の仲間にも会えて意見交換ができ、病める患者さんやご家族の為に頑張ろうというモチベーションを維持するよい栄養になりました。
北海道の精神科診療所協会の講演会では札幌医大の橋本准教授による脳科学的な見地からの精神疾患・精神症状のお話しでした。この分野は70年代にモノアミン仮説、80年代にはコルチゾールなどのホルモンと脳の関連、90年代にはBDNFといった脳内での生化学的な動態の解明、2000年代以降は神経再生に関連した研究が進んでおり、特に近年はグリンパティック・システムと言われる、睡眠中の髄液の作用をベースにした脳内の不純物の除去と認知症や気分障害などの精神障害の予防的・治療的な知見の解明が進んでおり、より科学的な根拠を持って精神疾患にアプローチできる時代が近づいているとの期待を感じました。
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2023/10/29(日)
10月末に、東京赤坂クリニック院長の坂元先生のうつ病のご講演がありました。とにかく話が上手で、日本1講演が多い精神科医だと思います。当院長は約25年前に6年ほど東京女子医大病院で坂元先生の下で研鑽をつませて頂きました。坂元先生とても勉強家でもの凄く知識がある方で、当時から精神医学の専門家の間でもうつ病・躁うつ病の専門家としては有名で、後に教授になられています。
時々テレビ出演もされています。近年は多忙のために出演を断るようになっていたそうですが、この3年でのコロナ禍での失業や家庭環境の変化による自殺者急増(特に女性)に少しでもブレーキをかけるために、テレビ画面から、「視聴者でうつ状態で今死にたいと思っている方、諦めないで精神科・心療内科を受診したり、相談所に繋がってほしいです」と呼びかけ、多くの方が坂元先生のクリニックをはじめとして様々な精神科クリニックやカウンセリング所に通い改善して喜びの声が届いているそうです。
近年よく使われている抗うつ薬には、意外と知られていない副作用があったりして、薬剤変更で患者さんの思考力が改善して頭がスッキリして仕事復帰に繋がる方も沢山いらしたという話では、あらためて患者さんの特徴と薬剤選択の重要性を考えさせられました。
今回の学びを早速明日からの臨床に生かしたいと思いました。
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2023/10/19(木)
10月第1週にサイコオンコロジー学会があり、参加しました。
がん患者さんのご家族に焦点を当てたシンポジウムでは、患者様とは別意味でこれから生じる別れを憂慮しながらも介護や看病に疲弊したり、経済的な心配や親戚との関係など様々な現実的な心配事を抱えながら疲弊しているご家族も少なくなく、医療者として出来得るサポートを学会内でも考えていく事は大切だと思いました。
安楽死のセッションでは、重たいテーマで雰囲気が心配でしたが、エネルギッシュで積極的な演者の先生がいらして、シンポジストの先生方の間で活発な意見交換が行われました。春の札幌カンファレンスでも世界中から識者が集結して安楽死の話題がありましたが、やはり国によって、宗教によって、民族によって、そして何よりも個人にとって価値観が異なるので一つの結論を出せるものではありませんが、それでも医師は考え続けなくてはいけないことです。医学会だけではなく、法律家や宗教家や市民レベルでの議論が重要だと思いました。
患者さんと医療者のコミュニケーションのセッションでは、表面的な言葉でのコミュニケーションだけではなく、態度や雰囲気といったノンバーバル・コミュニケーションの重要性の話でした。理論の話もありましたが、大阪母子医療センターの平山先生の現場でのお話は、小児の患者さんや若いお母さん達といかにコミュニケーションを取っているのか、どんな事に悩んでいるのかを率直に元気に語って頂き、色々と考えさせられる良い機会でした。 今回の学びを日々の診療に生かせるよう頑張りたいと思いました。
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2023/09/30(土)
コロナ禍になってから、医学系の学会はWEB開催が中心になりましたが、去年くらいから現地開催とオンデマンド、WEB開催の混合(ハイブリッド)にもなってきています。そのお蔭で、以前なら、聴きたい講演が2つ3つと重なると1つに絞らなくてはならず、聴きそびれることがありましたが、今は会員は有料でWEBで視聴することが出来ます。今年6月の日本精神神経学会も、外来をあまり休みに出来ないので、1日しか参加出来ませんでしたが、10月10日までWEBで視聴できるので、少しずつ視聴して勉強しています。ただ、1度に2~3時間のプログラムが中心なので、平日残業が終わって深夜に帰宅してからだと視聴し終わるのが1時を過ぎてしまうので、寝落ちすることもあり何度も見直す羽目になっております。それでも、カウンセリング方法やうつ病やうつ状態や発達障害関連についての最新の知見など現場臨床に役立つものが多く、主に土日を使いながら頑張って勉強しています。
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2023/07/25(火)
7月15日に、精神分析系の研究会の事例検討会で3時間の発表をしました。医療関係者の集まりなので、引き続きコロナ対策として全員マスクして、席は離れて座り、換気した中で行われました。
今回の事例も当然ながら、ご本人から、プライバシーが漏れないような工夫をした範囲での学会発表や専門医や研修医や心理士や看護師及びそれらの学生への教育の場に於いての発表にはご同意いただいております。
癌でご家族を亡くされたご遺族のカウンセリング・治療経過についての発表でした。元々はそれ程多くを話さない方ですが、初診の日は50分でも足りないほど話をされていました。ご家族様の癌の予想だにしていない中での発見と早い経過、心の準備が出来ないままでの別れの寂しさ、悲しさ、無念さ、くやしさ、苦しさを語っておられました。一般的には死別後数週~遅くとも数か月である程度の回復をされる方が多いのですが、長引いている場合には複雑性悲嘆とか特別な心因反応が考えられ、時にはうつ病にもなっている場合もあり、通常のお話を聴くカウンセリングだけではなく、休養を強くお勧めしたり、薬物療法も必要になる場合もございます。この患者様も長引いており、ストレス反応だけではなくうつ病も重なっていて薬物療法も併用しておりました。
研究会では有名な先生や第一線で大活躍中の先生や心理学系の元教授の先生などから、精神分析的な深い患者理解を踏まえたコメントも得られ、知識の面でも、臨床を振り返り今後に役立てる上でもとても有意義な時間でした。患者様の経過を8ページくらいにまとめる作業は数十時間もかかったのですが、その作業そのものが患者様の心の理解に役立ちました。精神分析では、患者様の気持ちだけではなく治療者側の心の動きまで深く掘り下げて診ていくので、発表者にとっては時に大変辛い作業なのですが、心理的に患者様を支えていく上では必要なことだと思い、昨年に続き今年も発表させて頂きました。