• 2023/05/29(月)  初診の患者様の予約枠の空き状況をお伝え致します。
    2023年5月29日からの週は、6/2金曜日夕方に新患枠がございます。
     かかりつけ患者様で悪天候や体調不良や急用などで先週受診できずに薬が不足しそうな方には短時間診察ですが処方はいたしますので、事前に来院時間相談のお電話を下さいますようお願い致します。
     当院は北海道・札幌でも唯一の精神腫瘍科クリニックで、がん告知やがん治療の辛さで心理的に落ち込んだ患者様や支えるご家族様、がん等でご家族を亡くされてうつ状態のご遺族様の為に長い時間をかけた面接をしており最優先で対応致しております。年々がん治療病院様などからのご紹介が増えておりますが、その分それ以外の患者様のご予約は難しい場合があり、ご気分を害された場合は申し訳ございません。
     なお、初診枠は30分以上のお時間を空けてご用意しておりますので、キャンセルされた場合には以後のご予約は難しくなる場合もございます、ご了承下さいませ。
  • 2023/05/15(月)  国の方針で3月13日からマスクに関しては開放的になっております。しかし、当院は精神腫瘍科で、免疫力が低下しやすいがん患者様(特に抗がん剤治療中の患者様)が毎日受診されていますので、引き続き不織布マスクの着用を立ち入りの条件とさせていただきます。
     多くの医師や医療の現場と国の見解は、医師である尾身会長の談話でも分かるように開きがあるようです。一般の皆様でも多くの方が「もうマスクはいいや、外したい」と思っていらっしゃると思います。色々なデータがありますが、医療現場では昔から手術や清潔操作が必要な場面ではマスクは必須ですし、呼吸器感染症を防ぐのに効果があることは明らかです。諸外国では既にマスクを外していますが、新型コロナ感染症での死者数と国の人口から見ると、死亡率は日本に比べて4~40倍です。これだけの数の主に基礎疾患がある方やご高齢の方々が亡くなっているという事です。免疫力が強い若い方々には「新型コロナも普通の風邪と同じようなもの」かもしれませんが、病院に来る方々にとってはまだまだ脅威なので、ご理解・ご協力のほど宜しくお願い致します。内閣の方々がマスクを外して外交される一方で、5月11日の園遊会では天皇皇后両陛下をはじめとして皇族方や宮内庁職員はマスクをされていました。 ご理解のほどよろしくお願いいたします。
  • 2023/05/13(土) 4月末に札幌で、緩和ケアに関する国際会議という学会が3日間ありました。ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどの世界中から活躍中の専門家が集まり、各分野の最先端の知見などについての話が聞けました。国際学会なので全部英語で、私は無理せずに同時通訳のイヤホンを使用しましたが、身体医学から薬理学から精神医学から実存哲学からと幅が広く、同時通訳の方々は相当大変だったと思います。
     精神腫瘍科医の私にとっては専門分野の話が多かったので、とても良い刺激になりました。医学生の頃から精神的ケアと実存的ケア(スピリチュアルケア)の区別が分からず、これはいまだに悩んでいるのですが、世界的な学者の方々の話を伺ってもまだ分からないままで、これからも1人1人の患者さんの考え方や価値観や哲学を尊重して関わり続ける中で探していこうと思いました。精神腫瘍科の世界的な権威の先生方とも少しだけお話しできたり、学会後にもメールで少しだけ交流が持ててよい機会になりました。
     また、コロナ禍でなかなか会えない関東や関西の先生方にもお会いでき、とても参考になる意見交換が出来ました。
  • 2023/05/09(火)

     5月20日土曜日は用事のため30分早く13時で終了させて頂きます。申し訳ございません。
  • 2023/04/25(火)
     4月の第4週末は、WEBで勉強する機会が2日続きでありました。
     21日金曜日は、帯広厚生病院精神科主任部長の古瀬先生のご講演で、がん患者さんのうつに関した内容でした。これは当院長の専門分野と重なる内容で、このような分野をサイコオンコロジー(精神腫瘍学)と言いますが、日本では1980年代の終わりに関連する2つの学会が出来て、医療職者の間では2000年代に入ってからは徐々に認知されるようになりました。
     がん患者さんが一時的にでも不安やうつ状態や不眠になるのは当たり前かもしれませんが、そこに疾患としてのうつ病が潜んでいる場合もあり、また、純粋にうつ病ではなく現実的な悩みや実存的な苦痛からの抑うつ状態であっても抗うつ剤など薬物も効果があったりもするので、総合的な精神科的な治療につながることの大切さを分かり易く解説して頂きました。時には自殺にもつながる確率の高い状況へのお話なので、重要さも再認識できた素晴らしいご講演でした。
     22日土曜日は、死の臨床研究会北海道支部の年次総会でした。症例報告で、あるがん患者さんが病気が発見されてから大学病院を経て緩和ケア病棟に移り、そこからいわゆるケアハウス的な施設で訪問診療や訪問看護を受けながら最期を迎えるまでを、患者さんのご希望やご意思を尊重しながら各施設でリレーしていった看護・治療・ソーシャルワークの流れのお話でした。どうしても医療というと急性期の病院ばかりがピックアップされがちですが、様々な役割の医療・福祉の皆さんが懸命に患者さんを支えている現状が分かる発表でした。
  • 2023/04/13(木)
     当院では丁寧にお話を伺うことを基本としております。精神疾患ではないストレス反応であってもストレス要因について言葉にしてみるだけでも楽になることがございます。不安・焦り、対人緊張、広場恐怖、閉所恐怖、うつ状態・自信喪失、孤独感、不眠や悪夢、ムズムズ足、パニック発作、自律神経失調症、心身症、月経前や更年期の不調、身体疾患やその治療薬の副作用による抑うつ・不眠など、お気軽にご相談ください。
     精神腫瘍科ではこころの緩和医療として、がん患者様・ご家族様・ご遺族様の心のケアを行っております。がん以外の身体疾患を抱えた患者様に関しても同様であります。また、ペットロスで悲しまれている方のお話もお聴きしております。
     薬は依存性や副作用に気を付けて十分にご説明して最小限とし、回復にあわせて減量・終了としており、お薬なしでの通院患者様も増えています。(依存性のある眠剤や抗不安薬はほとんどが意識障害をおこしやすくなりますし、重たい副作用が心配される気分安定薬などは、医師1人で外来だけの当クリニックでは処方は控えております)
     辛くてもどうにか働けたり通学出来ているけれど、頑張りすぎたり自分を責めるマイナス思考で悩んでいる方には、辛いお気持ちを言葉で吐き出して頂き、仕事や学校や社会活動を楽にこなすために一緒に考えていくことでお役に立てるかもしれません。 なお職場での休職や現実的な環境調整や上司の方との相談や労使調整が必要になる方に関しては、当院の専門は精神腫瘍科なので産業医的な業務やリワークを行っている病院のようなサポートは難しいと思われます。 初診ですぐに確定診断をつけたり診断書を判断することは難しい場合がございます。どうぞご了承下さい。
     地下鉄も市電も近く、小さめのビルで人に会うことは少なく、待合室では他人が気になりにくい構造で、お名前は呼ばず番号で御呼びするなどプライバシーに配慮しておりますので安心してお越しください。
     診察後に質問やご相談ごとが生じても応じられるように、初診時は医療スタッフが診察に同席しておりますが、同席しても良いかを伺わせて頂き患者様のご希望によっては外しております。 再診時は医師のみです。
     なお、長く精神科救急や入院治療を担当してきた経験から考えますと、入院が必要そうな方は、当院では提携精神科病院が無く、見つかってもいざ入院の際にご家族や知事・市長なども関わる法的な手続きが必要な場合もあり、外来クリニック経由ではなく初めから病院に相談された方が良いと思われます。どうぞご了承くださいませ。
  • 2023/04/01(土)
     優しさと笑顔を大切に日々の診療にあたらせて頂いております。
     2017年4月に開院して6年が経ちました。市内の総合病院やがん治療病院や緩和ケア病院等からご紹介のがん患者様やご家族やご遺族様の割合は増えております。またがん以外の疾患でも、内科・婦人科などの身体科からご紹介される心身症や更年期や膠原病や慢性疾患などにうつ・不安・不眠が重なっている患者様の割合も増えてきております。そのため、別項に書いたように感染対策には力を入れております。 
     新患様の受付は最近混んできていますが、たまに、キャンセルが発生して急遽前日や当日でも可能なことも御座います。
     新型コロナウイルス感染症でストレスフルな状況が続いています。自粛生活でうつ状態や不安になるのは当たり前と思ってしまいがちです。隠れたうつ病に気づかず、「このくらいの事は我慢すべきと思っていたので受診をためらっていた」と仰る患者様もいらっしゃいますが、どの病気も早めの治療が大切ですから、どうぞお気軽にお電話下さいませ。「がん患者さんやがん患者さんのご家族ご遺族しか診ないのですか」とのご質問がございますが、当院は心療内科としてがん以外の患者様(うつ、不安、不眠、確認行為などの繰り返す強迫症状、潔癖症、ストレス性のめまい、パニック障害の動悸・息苦しさ・過呼吸、対人緊張による閉所恐怖や広場恐怖、胃腸障害、頻尿、月経前の気分の障害や更年期のうつ、足のムズムズなど)も診ております。ただし、職場との込み入った交渉や裁判の相談などは産業医の先生がいる機関等の方が良いかもしれません。当院では時間を長くかけた診察は、がん患者様やそのご家族様、御遺族様を優先しております。
     なお、お薬が出る場合には禁酒をお願いしております。運転も控えて頂くようお願いすることが御座います。どうかご了承くださいませ。
  • 2023/03/26(日) 今月は、研究会で2時間の講義をしました。 故人で日本を代表する精神分析家の小此木啓吾先生が1979年に出版された「対象喪失」という本の内容を、精神科医、心理士、社会福祉士などの方々に解説いたしました。勿論、医療従事者の集まりなので、マスク、換気、距離を守ってです。 院長は東京にいた1999年頃に小此木先生主催の精神分析セミナーに毎週通って2時間の講義を受けていたので、小此木先生のお話には馴染みがあり、特に精神分析の創始者フロイトの話が多くて良い復習の機会になりました。 対象喪失とは、例えば子供にとっての母親や父親を失うこと。思春期青年期での友人関係のもつれや失恋、大人になっても家族や友人との関係や、仕事上の対人関係での辛い別れや決別における心の動き、特に喪失感についてを指します。意識できるレベルから、精神分析家でなくては捕まえにくい無意識の領域まで、詳しく書かれています。ペーパーバックの小さな本なのですが、小此木先生の本は内容が充実しており、かつ分かり易いので、参加されたセラピスト(カウンセラー)の方々も、この機会に読み直して勉強したいと言っていただきました。 この本には、がん患者さんや、ご家族ががんや生命に影響する病気に罹患されたご家族・ご友人の方についてや、ご遺族についても、その心の動きの探求がなされており、その分野の創始者のキュブラー・ロスについても言及され、フロイトとも対比されており、精神腫瘍科としての役割にも参考になる内容もありました。 それらを踏まえて、日々の診療で患者さんの心の本質を見つめていけるように頑張りたいと思いました。
  • 2023/01/22(日) 1月14日にグランドホテルで精神科医中心の勉強会がありました。コロナ禍になってからは基本的には人数が多かったり密集していたり換気が悪いところには行かないようにしていますが、この勉強会は席も離し、医師ばかりなので感染防御は守られていますし、20年以上前の東京女子医大時代にご指導頂いた前教授の坂元先生のご講演なので、参加しました。昨年もWEBで同様のご講演を受けましたが、新型コロナの後遺症やコロナ禍での閉塞した社会状況の中での様々な抑うつ症状やうつ病について、前回以上に多くの臨床例や統計を追加されてのご講演で、あらためて良い勉強になりました。坂元先生は赤坂クリニックの院長になられてからも、相変わらず多くの講演をこなして日本中を飛び回っている印象があります。日本の精神科医の中でも最も講演上手な人気の先生で講演需要も多く、また、報道番組にも出演されるので外来予約は8カ月先まで満員だそうです。コロナ禍でもあり、忙しすぎてご健康を崩さないように願っております。 
  • 2022/12/31(土)  院長は開業する前から毎週東札幌病院に診療に行っています。緩和ケアなどの病院で、がんや心臓病や脳疾患などで亡くなる方が多い病院です。そちらで、2022年末に「遺族外来」にかかわるお話・講演をさせて頂きました。もちろんコロナ対策はしっかりとしてです。
     患者さんが亡くなるとご家族はご遺族になります。患者さんが亡くなられた後のご遺族の反応は人其々で皆さん少しずつ違います。もちろん、悲しみや喪失感や苦しみや不全感や疲弊や寝不足など多くご遺族に共通の状態や症状はありますし、統計的な項目の調査をすれば傾向が出てくることもあります。それはそれで参考にはなりますが、やはり大事なのは個別性だと思います。当クリニックでは日本でも珍しい「遺族外来」を行っております。死別から日が浅くて、こまめに通われる方もいらっしゃるし、時間が経って一見落ち着いてこられた方もいらっしゃるし、4年5年経っていて数か月に1回だけ通院される方もいらっしゃいます。時間が経っても涙される方もいらっしゃります。遺族外来では通常外来よりも時間を長めにとってお話を伺ったり、私が他のご遺族から伺ったお話の中から参考になりそうなお話をすることもありますが、基本は其々のご遺族のお気持ちやお考えを丁寧に聴かせて頂くことだと思います。時には自死遺族の方もいらっしゃいます。癌でも心臓病や脳疾患でも自死でも、遺されたご遺族は「あの時もっとこうしていれば」などの後悔をされる方が少なくありませんが、基本的に故人の死を悲しんでいる人はその方なりに頑張っていたはずで、ご自分を責めなきゃいけないような責任は無いと思います。でも、死ということが大きすぎてどうしても自責的になってしまいがちです。これはご家族だけではなく、病院では医療者にも当てはまる場合があるので、病院職員の皆さんへ「遺された人は、どうかご自分を責めないでほしい」というメッセージの講演でした。凄く難しいテーマなので、これからも考え続けるべきテーマだと思います。