• 2023/01/29(日)  初診の患者様の予約枠の空き状況をお伝え致します。
      2023年1月30日からの週は、2月2日木曜、3日金曜、4日土曜に新患枠が御座います。
     かかりつけ患者様で悪天候や体調不良や急用などで先週受診できずに薬が不足しそうな方には短時間診察ですが処方はいたしますので、事前に来院時間相談のお電話を下さいますようお願い致します。
     当院は北海道・札幌でも唯一の精神腫瘍科クリニックで、がん告知やがん治療の辛さで心理的に落ち込んだ患者様や支えるご家族様、がん等でご家族を亡くされてうつ状態のご遺族様の為に長い時間をかけた面接をしており最優先で対応致しております。年々がん治療病院様などからのご紹介が増えておりますが、その分それ以外の患者様のご予約は難しい場合があり、ご気分を害される方もいらっしゃり申し訳ございません。
     なお、初診枠は30分以上のお時間を空けてご用意しておりますので、キャンセルされた場合には以後のご予約は難しくなる場合もございます、ご了承下さいませ。
  • 2023/01/22(日) 1月14日にグランドホテルで精神科医中心の勉強会がありました。コロナ禍になってからは基本的には人数が多かったり密集していたり換気が悪いところには行かないようにしていますが、この勉強会は席も離し、医師ばかりなので感染防御は守られていますし、20年以上前の東京女子医大時代にご指導頂いた前教授の坂元先生のご講演なので、参加しました。昨年もWEBで同様のご講演を受けましたが、新型コロナの後遺症やコロナ禍での閉塞した社会状況の中での様々な抑うつ症状やうつ病について、前回以上に多くの臨床例や統計を追加されてのご講演で、あらためて良い勉強になりました。坂元先生は赤坂クリニックの院長になられてからも、相変わらず多くの講演をこなして日本中を飛び回っている印象があります。日本の精神科医の中でも最も講演上手な人気の先生で講演需要も多く、また、報道番組にも出演されるので外来予約は8カ月先まで満員だそうです。コロナ禍でもあり、忙しすぎてご健康を崩さないように願っております。 
  • 2023/01/21(土)
     2月18日(土)は、用事・都合により30分ほど早く終了いたします。
    申し訳ありません、ご了承のほどお願い申し上げます。
  • 2023/01/01(日)
     2023年、明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
     当院では丁寧にお話を伺うことを基本としております。精神疾患ではないストレス反応であってもストレス要因について言葉にしてみるだけでも楽になることがございます。不安・焦り、対人緊張、広場恐怖、閉所恐怖、うつ状態・自信喪失、孤独感、不眠や悪夢、ムズムズ足、パニック発作、自律神経失調症、心身症、月経前や更年期の不調、身体疾患やその治療薬の副作用による抑うつ・不眠など、お気軽にご相談ください。
     精神腫瘍科ではこころの緩和医療として、がん患者様・ご家族様・ご遺族様の心のケアを行っております。がん以外の身体疾患を抱えた患者様に関しても同様であります。また、ペットロスで落ち込まれた方のお話も伺っております。
     薬は依存性や副作用に気を付けて十分にご説明して最小限とし、回復にあわせて減量・終了としており、お薬なしでの通院患者様も増えています。(依存性のある眠剤や抗不安薬は次第に意識障害をおこしやすくなりますし、重たい副作用が心配される気分安定薬などは、医師1人で外来だけの当クリニックでは処方は控えております)
     辛くてもどうにか働けたり通学出来ているけれど、頑張りすぎたり自分を責めるマイナス思考で悩んでいる方には、辛いお気持ちを言葉で吐き出して頂き、仕事や学校や社会活動を楽にこなすために一緒に考えていくことでお役に立てるかもしれません。 職場での休職や現実的な環境調整や上司の方との相談や労使調整が必要になる方に関しては、当院の専門は精神腫瘍科なので産業医的な業務やリワークを行っている病院のようなサポートは難しいと思われます。初診ですぐに確定診断をつけたり診断書を判断することは難しい場合がございます。どうぞご了承下さい。
     地下鉄も市電も近く、小さめのビルで人に会うことは少なく、待合室では他人が気になりにくい構造で、お名前は呼ばず番号で御呼びするなどプライバシーに配慮しておりますので安心してお越しください。
     診察後に質問やご相談ごとが生じても応じられるように、初診時は医療スタッフが診察に同席しておりますが、同席しても良いかを伺わせて頂き患者様のご希望によっては外しております。 再診時は医師のみです。
     なお、長く精神科救急や入院治療を担当してきた経験から考えますと、入院が必要そうな方は、当院では提携精神科病院が無く、見つかってもいざ入院の際にご家族や知事・市長なども関わる法的な手続きが必要な場合もあり、外来クリニック経由ではなく初めから病院に相談された方が良いと思われます。どうぞご了承くださいませ。
  • 2022/12/31(土)  院長は開業する前から毎週東札幌病院に診療に行っています。緩和ケアなどの病院で、がんや心臓病や脳疾患などで亡くなる方が多い病院です。そちらで、2022年末に「遺族外来」にかかわるお話・講演をさせて頂きました。もちろんコロナ対策はしっかりとしてです。
     患者さんが亡くなるとご家族はご遺族になります。患者さんが亡くなられた後のご遺族の反応は人其々で皆さん少しずつ違います。もちろん、悲しみや喪失感や苦しみや不全感や疲弊や寝不足など多くご遺族に共通の状態や症状はありますし、統計的な項目の調査をすれば傾向が出てくることもあります。それはそれで参考にはなりますが、やはり大事なのは個別性だと思います。当クリニックでは日本でも珍しい「遺族外来」を行っております。死別から日が浅くて、こまめに通われる方もいらっしゃるし、時間が経って一見落ち着いてこられた方もいらっしゃるし、4年5年経っていて数か月に1回だけ通院される方もいらっしゃいます。時間が経っても涙される方もいらっしゃります。遺族外来では通常外来よりも時間を長めにとってお話を伺ったり、私が他のご遺族から伺ったお話の中から参考になりそうなお話をすることもありますが、基本は其々のご遺族のお気持ちやお考えを丁寧に聴かせて頂くことだと思います。時には自死遺族の方もいらっしゃいます。癌でも心臓病や脳疾患でも自死でも、遺されたご遺族は「あの時もっとこうしていれば」などの後悔をされる方が少なくありませんが、基本的に故人の死を悲しんでいる人はその方なりに頑張っていたはずで、ご自分を責めなきゃいけないような責任は無いと思います。でも、死ということが大きすぎてどうしても自責的になってしまいがちです。これはご家族だけではなく、病院では医療者にも当てはまる場合があるので、病院職員の皆さんへ「遺された人は、どうかご自分を責めないでほしい」というメッセージの講演でした。凄く難しいテーマなので、これからも考え続けるべきテーマだと思います。
  • 2022/11/05(土) 10月末に第35回日本総合病院精神医学会が東京の墨田区でありました。
     今回の大会長の国立がんセンターの清水研部長先生は、がん患者さんの心のケアを専門とする有名な先生です。清水先生は基礎的な研究も十分にご経験されたうえで、現場で苦しんでいらっしゃる患者さんにサポーティブに関わる臨床を大事にされている方です。その会長講演では、やはり現場の患者さんたちがどのように苦しまれ、それを精神腫瘍医(がん患者さんを診る精神科医)がどう関わり、その後患者さんがどのように強くなられていったのか等のお話が中心でした。生物学的な医学のお話よりも、医療者として、医師として、人として病気に苦しむ患者さんに何が出来るのか、どうあるべきかを悩み考えながら毎日実践されていることが良くわかるお話でした。感動させられる話もあり、素晴らしかったです。
     他にも、札幌医大の河西教授の自殺に関連したご講演がありました。自殺をするほど追い込まれた患者さんを、救急救命科の先生などと協力しながら、いかにサポートしていけるかといった大変重要なお話で、凄く考えさせられました。自殺学については日本の第一人者で、大変勉強になりました。
     他にも、神経細胞の構造や特徴を詳細に調べる研究から分かったことで、精神病であっても出来るだけ早期に治療につながって服薬することで脳が守られて重症化しない可能性が徐々に解明されてきているという講演や、認知症の現実的な臨床の講演も聞けました。
     今回は、東京都済生会中央病院の健康デザインセンター長の白波瀬丈一郎先生のご講演もあり、当院長は大会長からのご用命を受けて座長をさせて頂きました。白波瀬先生は日本の精神分析の第一人者でもあり、また長く慶応大学病院でも職員の健康管理をされたり、内科などと連携するリエゾン精神科医としてもご活躍されてきた経験を生かして、病院内での多職種連携の際にうずめく無意識の問題、みんなが見ないようにしている問題をいかに気持ちが辛くならないように各部門や別々の職種どうしで協力しながら対処していけるかというお話でした。精神分析の応用とも言える集団心理学的なご講演内容は、ほぼ満員の聴講された先生方も深く考えさせられているご様子でした。これは病院だけではなく一般企業やサークルなどでも応用できる素晴らしいお考えで、感銘させられました。
     3年ぶりに学会の現地開催に参加でき、多くの先生に久しぶりに会えて、充実した週末でした。学んだことをこれからの診療に役立てていきたいと思います。
  • 2022/10/14(金)
     優しさと笑顔を大切に日々の診療にあたらせて頂いております。
     2017年4月に開院して5年半が経ちました。お陰様で直接の口コミでご来院される患者様が多く、がん患者様やご家族やご遺族様の割合も増えております。また精神腫瘍科などのリエゾン精神科が専門なので、内科・婦人科などの身体科からご紹介される患者様が増えてきており、がん以外にも更年期や膠原病や慢性疾患などにうつ・不安・不眠が重なっている患者様の割合も増えてきております。そのため、別項に書いたように感染対策には力を入れております。 
     新患様の受付は最近新年度でもあり混んできています。たまに、キャンセルが発生して急遽前日や当日でも可能なことも御座います。
     新型コロナウイルス感染症でストレスフルな状況が続いています。自粛生活でうつ状態や不安になるのは当たり前と思ってしまいがちです。隠れたうつ病に気づかず、「このくらいの事は我慢すべきと思っていたので受診をためらっていた」と仰る患者様もいらっしゃいますが、どの病気も早めの治療が大切ですから、どうぞお気軽にお電話下さいませ。「がん患者さんやがん患者さんのご家族ご遺族しか診ないのですか」とのご質問がございますが、当院は心療内科としてがん以外の患者様(うつ、不安、不眠、確認行為などの繰り返す強迫症状、潔癖症、ストレス性のめまい・動悸・息苦しさ・過呼吸・胃腸障害・頻尿、月経前の気分の障害や更年期のうつ、足のムズムズなど)も診ております。ただし、職場との込み入った交渉や裁判の相談などは産業医の先生がいる機関等の方が良いかもしれません。当院では長い診察時間は、がん患者様や御遺族様を優先しております。
     なお、お薬が出る場合には禁酒をお願いしております。運転も控えて頂くようお願いすることが御座います。どうかご了承くださいませ。
  • 2022/07/22(金)  新型コロナウイルスの急増の直前に、北海道の心理学系の症例検討会で発表しました。このところ毎年のように発表しています。新型コロナが増えたり緊急事態宣言が出た月は中止していますが、たまたま私が発表するタイミングでは毎年新型コロナが少ない時期に当たっています。
     今回もがんで既に天国に逝かれた患者さんの症例発表をしました(生前にご許可を頂いて)。身体医学的な治療経過を踏まえつつ、患者さんの心理を精神分析的に深く考慮し、同時に治療者の心理状態も吟味して、それが心理ケアにどのように影響したのかなどを3時間かけて検討しました。もちろん、参加者1人1人の距離をあけて、窓やドアも開けて換気しながらです、マスクは当たり前で。
     今回の患者様は仕事に家庭に全力で頑張って生きてきた女性で、様々な趣味があり、それぞれに詳しく、また、人付き合いも多かったアクティブな方で、前向きでした。ご本人にはそのやり方が一番合っているので、病気の症状や進行のことはあまり考えないで、周囲の人々に感謝をしながら過ごされていました。でも同時に我慢もされていて、もっと辛さを表出し我儘でも出してもらえるように関わることも、今後の課題として考え続けなくてはいけないと思いました。むしろ患者さんに我々医療者の方が励まされたりもして、そのお蔭でその後にお会いするがん患者さん達に優しく誠意を持ってケアさせて頂こうというモチベーションも戴いたような気がします。 感謝して、ご冥福をお祈りします。
  • 2022/06/24(金) 6月中旬に日本精神神経学会の総会が3日間ありました。ハイブリッドでしたが、WEBでの参加となりました。クリニックをお休みにしたのは1日だけで、他の2日は殆ど参加できませんでしたが、WEBなので録画を後日の配信期間に見ることが出来るので便利な開催方法だと思います。 
     印象的だったものの一部をご紹介します。
     精神科の診断は、従来は古いドイツの伝統的な診断基準がベースになっていました。これは出来るだけ患者さんの心理的に深い内面を探ったり、様々な症状の意味合いを深く考慮したものでした。しかしがアメリカ中心に回るようになり、1980年代以降はDSMとかICDと言われるアメリカ発の表面的な診断分類が中心になり、日本では厚労省が公的な文書(診断書など)の診断にICD使用を要求するようになってしまいました。 このICDが最近改定され、翻訳が進んでおり、近いうちに使用しなくてはいけなくなるので、この改訂版を解説したセッションがありました。
     あとは、PTSDにまつわるもの。近年PTSDに出てくるトラウマの解釈が広がりすぎて、PTSDが乱用されていますが、久留米大学の大江先生が精力的にあちこちのセッションで説明されていました。
     慢性疼痛については、神経生理学的な説明もあり、病態の把握の役に立つ講義がありましたが、一方では、病める患者さんへの対応は難しいという事が再認識されました。
     精神分析的な治療のセッションでは、ベテランの先生だけではなく中堅の先生も精力的に発表されており、今後の生きた臨床への応用が進むことを期待したいと思いました。
     2か月後にオンラインで視聴できるので、勉強して日々の臨床に役立てていきたいと思います。
  • 2022/06/11(土)  身体疾患と精神症状や精神疾患は非常に関係が深く、そのような領域を心身医学とか総合病院精神医学とかリエゾン精神医学とか一般病院連携精神医学と言ったりします。この学会として日本総合病院精神医学会という会があり、院長は2002年からその専門医として特にがん患者さんやご家族の精神科的治療や心理的ケアなどを行ってきております。このような分野を精神腫瘍科(サイコオンコロジー科)といいます。今回の学会専門誌に、その内容で院長の論文が掲載されたので、概略をご紹介します。
     がん闘病や治療では、がん患者さん特有の抑うつや不安のプロセスがあり、ご家族も同様で、更にはご遺族にも悲嘆反応や抑うつ反応やうつ病などが生じやすいです。これらに対する治療は様々な専門的なカウンセリング法もあり、それらを駆使して治療を行っております。更には、このような状況の患者さんやご家族と接するときに我々医療者も、その辛さに影響されて様々に気持ちが辛くなったり揺れたりします。そのことには気付けていたり、無意識だったりと様々です。ですから、患者様だけではなく治療者も含めて心の状態や動きを無意識領域まで深めながら理解に努め、少しでも良い治療や治療関係が構築・維持できるような理解が必要だと思い、様々な専門家からの客観的なご意見もいただいた某患者様の治療経過まとめました(かなり前に天国に行かれた方で、ご自分の経過を、他の患者様や医師・看護師・心理士などの治療や勉強に役立ててほしいとの同意とご希望を頂き、匿名で発表させて頂きました)。最終的な深い見立ては力動精神医学とか精神分析学の知識・経験をも活用しての深い振り返りになり、本当に貴重な勉強をさせて頂いたので、症例とさせていただいた患者様、ご遺族様、ともに学んでいる仲間に心より感謝申し上げます。