• 2025/05/09(金)  初診の患者様の予約枠の空き状況をお伝え致します(電話予約です)。
     5月12日からの週の新患枠は、12日月曜夕方に空きがございます。
     当院は北海道・札幌でも唯一の精神腫瘍科クリニックで、がん告知やがん治療の辛さで心理的に落ち込んだ患者様や支えるご家族様、がん等でご家族を亡くされてうつ状態のご遺族様の為に長い時間をかけた面接をしており最優先で対応致しております。
     乳がん婦人科がんの患者様を多く診察させて頂いてきて、術後のホルモン療法による更年期的症状に悩む多くの患者様に向き合っておりますので、更年期のうつ・イライラや発汗や月経全症候群の患者様にも対応しております。 
     初診枠は30分以上のお時間を空けてご用意しております。
     かかりつけ患者様で悪天候や体調不良や急用などで先週受診できずに薬が不足しそうな方には短時間診察ですが処方いたしますので、事前に来院時間相談のお電話を下さいますようお願い致します。
  • 2025/05/01(木) 今年のゴールデンウィークは暦通りで診療しております。5月3日土曜日の代診は翌週の5月10日土曜日に行います。ただし、所用にて、30分早く13時にて受付と電話対応は終了とさせていただきます。どうぞご了承ください。
  • 2025/04/30(水)  先日北海道新聞さんが、「精神腫瘍科・遺族外来・家族外来」に着目して下さり、取材をして下さいました。4月27日日曜日の朝刊に掲載して下さいました。
     「精神腫瘍科」は、がん患者さんやご家族やご遺族の心の問題をケア・サポートさせて頂く診療科です。いまだに全国的にも数が少ない珍しい分野で、標榜している病院はまだ殆どありません。内科など他科と連携するリエゾン精神科のなかの一つでもあり、緩和医療の一つでもあります。医療者の中でも認識は高くなく、一般の方々の中では殆ど知られていません。
     院長は1980年代からこの分野に関心を持ちました。医学の道に進んでからも、東京・神奈川で、聖路加病院で有名な日野原先生が作ったホスピスに実習に行けたり、日本のリエゾン精神科・精神腫瘍科臨床のパイオニアである保坂隆先生や堀川直史先生の下で直接その臨床や知識を学べる機会に恵まれ、2002年に北海道に移動してからは自力で開拓してきました。シンプルに精神医学の一分野とはみなさず、スピリチュアルな分野や哲学や宗教など各分野とも協働が望まれると思っています。2016年にはニューヨークに研修にも行くことが出来ました。今は学会レベルでこの分野を学ぶことが出来るようになりましたが、まだまだ担うドクター・セラピスト・ナースなどが少ないので、今回の北海道新聞さんの素晴らしい記事で広がっていくことを願っています。
  • 2025/04/01(火)
     優しさと笑顔を大切に日々の診療にあたらせて頂いております。
     2017年4月に開院して8年が経ちました。精神腫瘍科・一般診療科連携精神科医ということで市内の総合病院やがん治療病院や緩和ケア病院等からご紹介のがん患者様やご家族やご遺族様が沢山いらしております。がん以外の疾患でも、内科・婦人科などの身体科からご紹介される心身症や更年期障害や慢性疾患などにうつ・不安・不眠が重なっている患者様の割合も増えてきております。そのため、別項に書いたように感染対策には力を入れております。 
     新患様の受付は週によって混んでいますが、たまに、キャンセルが発生して急遽前日や当日でも可能なことも御座います。
     様々な感染症や世界情勢の不安定さや景気の低迷でうつ状態や不安になりやすくなっておりますが、隠れたうつ病に気づかず、「このくらいの事は我慢すべきと思っていたので受診をためらっていた」と仰る方もいらっしゃいます。しかし、どの病気も早めの治療が大切ですから、どうぞお気軽にお電話下さいませ。「がん患者さんやがん患者さんのご家族ご遺族しか診ないのですか」とのご質問がございますが、当院は心療内科としてがん以外の患者様(うつ状態、不安、不眠、確認行為などの繰り返す強迫症状、潔癖症、ストレス性のめまい、パニック障害の動悸・息苦しさ・過呼吸、対人緊張による閉所恐怖や広場恐怖、胃腸障害、頻尿、月経前の気分の障害や更年期のうつ、足のムズムズなど)も診ております。ただし、職場との込み入った交渉や裁判の相談などは産業医の先生がいる機関等の方が良いかもしれません。初診ですぐに診断書をお書きできることは少ないです。当院では時間を長くかけた診察は、がん患者様やそのご家族様、御遺族様を優先しております。
     なお、お薬が出る場合には禁酒をお願いしております。運転も控えて頂くようお願いすることが御座います。どうかご了承くださいませ。
  • 2025/03/10(月)  国の方針で2023年からマスクに関しては開放的になっております。しかし、当院は精神腫瘍科で、免疫力が低下しやすいがん患者様(特に抗がん剤治療中の患者様)が毎日受診されていますので、引き続き不織布マスクの着用を立ち入りの条件とさせていただきます。
     多くの医師や医療の現場と国の見解は開きがあるようです。一般の皆様でも多くの方が「もうマスクはいいや、外したい」と思っていらっしゃると思います。色々なデータがありますが、医療現場では昔から手術や清潔操作が必要な場面ではマスクは必須ですし、呼吸器感染症を防ぐのに効果があることは明らかです。諸外国では既にマスクを外していますが、新型コロナ感染症での死者数と国の人口から見ると、死亡率は日本に比べて4~40倍です。これだけの数の主に基礎疾患がある方やご高齢の方々が亡くなっているという事です。免疫力が強い若い方々には「新型コロナも普通の風邪と同じようなもの」かもしれませんが、病院に来る方々にとってはまだまだ脅威なので、ご理解・ご協力のほど宜しくお願い致します。
  • 2025/02/21(金) 2025年2月11日休日に、北海道精神分析研究会が主催する研修会がありました。今回は、あざみ野心理オフィス代表の臨床心理士:岩倉拓先生のご講演と、午後は事例発表のコメンテーターをして頂きました。岩倉先生は今年秋の日本精神分析学会で大会長をされます。
     テーマは「逆転移」についてで、これは大雑把に言うと治療者(医師やセラピスト)から患者さん・クライエントさんへの感情の事です。似た言葉に「転移(がんの転移ではなく、心理現象の転移)」があり、これは患者さんが自分の心の特に無意識領域にある感情を治療者に向ける現象などを指します。例えば、今はもう忘れているけれど、幼少期に母親に大事に抱っこされた時のような優しく安全な雰囲気の中で受け止めてもらえた感情や、逆に思うように対応してもらえずに寂しかったり不愉快だった感情などがあります。患者さんと治療者は感情のある人間どうしなので、お互いに対して様々な感情が生じるのですが、その中でも普段はなかなか気付かない過去の親などに向けていた無意識の感情をそれぞれ「転移・逆転移」と言います。これは、100年以上前に精神分析が出来たころには良くないもの、排除すべき感情と見られていましたが、時代とともに、それを探って無意識領域にしまわれている葛藤に気づいた方が、患者さん・クライエントさんの本質的な悩みや問題を見つけやすいとみなされるようになってきました。ただ、理論的にも複雑で難しいのですし、現場でも治療者自身が自分の無意識の感情に気づくことは不可能なので、自分の診療過程を指導医からスーパーバイズしてもらったり、学会・研究会で発表して上級の先生からコメントを受けるなどの研鑽が必須となります。また、訓練分析とか教育分析といって治療者自身が自分自身の無意識傾向を知るために上級医からの分析を受けることも望まれていますが、日本全体や世界でも、ここまで大変なことをしている人はあまりいません。
     いずれにせよ、精神療法(カウンセリング)で最も大事で肝となる「逆転移」を学べて良かったです。
  • 2025/01/02(木)
     当院では丁寧にお話を伺うことを基本としております。精神疾患ではないストレス反応であってもストレス要因について言葉にしてみるだけでも楽になることがございます。不安・焦り、対人緊張、広場恐怖、閉所恐怖、うつ状態・自信喪失、不眠や悪夢、ムズムズ足、パニック発作、自律神経失調症、心身症、月経前や更年期の不調、身体疾患やその治療薬の副作用による抑うつ・不眠など、お気軽にご相談ください。
     精神腫瘍科ではこころの緩和医療として、がん患者様・ご家族様・ご遺族様の心のケアを行っております。がん以外の身体疾患を抱えた患者様に関しても同様であります。また、ペットロスで悲しまれている方のお話もお聴きしております。
     薬は依存性や副作用に気を付けて十分にご説明して最小限とし、回復にあわせて減量・終了としており、お薬無しでの通院患者様も増えています。(依存性のある眠剤や抗不安薬では意識障害が起き易くなりますし、重たい副作用が心配される気分安定薬などは、医師1人で外来だけの当クリニックでは処方は控えております)
     辛くてもどうにか働けたり通学出来ているけれど、頑張りすぎたり自分を責めるマイナス思考で悩んでいる方には、辛いお気持ちを言葉で吐き出して頂き、仕事や学校や社会活動を楽にこなすために一緒に考えていくことでお役に立てるかもしれません。
     なお職場での休職や現実的な環境調整や上司の方との相談や労使調整が必要になる方に関しては、当院の専門は精神腫瘍科なので産業医的な業務やリワークを行っている病院のようなサポートは難しいと思われます。初診ですぐに確定診断をつけることは難しい場合が多く、診断書に関しては明確な精神疾患と判断された場合にのみ発行いたしますが、1~2回の診察だけでは判断できない場合が少なくありません。どうぞご了承下さい。
     地下鉄も市電も近く、小さめのビルで人に会うことは少なく、待合室では他人が気になりにくい構造で、お名前は呼ばず番号で御呼びするなどプライバシーに配慮しておりますので安心してお越しください。
     診察後に質問やご相談ごとが生じても応じられるように、初診時は医療スタッフが診察に同席しておりますが、同席しても良いかを伺わせて頂き患者様のご希望によっては外しております。 再診時は医師のみです。
     なお、長く精神科救急や入院治療を担当してきた経験から考えますと、入院が必要そうな方は、当院では提携精神科病院が無く、見つかってもいざ入院の際にご家族や知事・市長なども関わる法的な手続きが必要な場合もあり、外来クリニック経由ではなく初めから病院に相談された方が良いと思われます。どうぞご了承くださいませ。
  • 2024/11/14(木) 11月の上旬に名古屋国際会議場で日本精神分析学会があり、発表してきました。
     これまでの精神分析学会は、症例報告は、患者さんの心の内側や対話する精神科医との関係性に映し出される要素を静かに内観して探求していくという方法に限られていました。確かに、このような厳密な方法でしか無意識レベルの深い部分まで視ていくことは出来ないと思います。厳密な方法は週4回以上50分でカウチ(寝椅子・ソファ)に横になってというものです。しかし、現実に今の日本(他国でも)で、そのような時間のある患者さんはほとんどいませんし、費用もかなりかかってしまいます。それでも、1900年ころにフロイトが精神分析を始めて以降の120年に蓄積された知識や理論は、患者さんを理解する上では重要なものが多いので、近年は「応用編」という分野が出来ました。
     院長が専門とするサイコオンコロジー(精神腫瘍学)では、多くの患者さんはがんを抱えて不安や精神的苦痛を感じておられますが、其々の感じ方やご性格や生い立ちや生活環境からの影響を受けてのことですし、がんになったことが患者さんの人生そのものや考え方や価値観や性格にも大きく影響することがあります。また、そのような患者さんと関わらせて頂く私ども医療従事者の心も無意識レベルや深い部分で揺れ動き苦しくなることがあります。これらを考察するには、精神分析的な理解や知識を応用することは役に立つと思います。
     今回、すでに天国にいらっしゃる某患者様が生前に、「これから院長が出会う患者様や、院長とともに学ぶ医療従事者たちの役に立てるなら、(プライバシーに配慮した上で)症例として発表してください」と言って下さったので、発表させて頂きました。内容はここでは省略させて頂きますが、院長の勉強になったことは勿論、全国から集まっていた多くの精神科医や心理士や医療者にとっても良い学びが出来たとの声をたくさん頂きました。これからも誠実な医療を心がけていきたいと思いました。
  • 2024/10/23(水) 9月15日に、北海道精神分析研究会の主催で、九州大学大学院医学研究院精神病態医学の加藤隆弘准教授をお呼びして研修会がありました。午前中は「ひきこもり研究」について幅広くお話しいただきました。国内では年々増加しており、社会問題化されており、福祉や教育や医学といった幅広い分野で協働して取り組んでいくべき分野であります。加藤先生はこの分野では九州大学病院に於いても実際にひきこもり外来を主催され、国内はもとより世界的にもオピニオンリーダーのお一人です。Lancetという世界1評価の高い専門誌をはじめとして様々な国際的な専門誌にも論文を発表されています。それでいてとても気さくで優しくて腰が低くて話しやすい方でいらして、ひきこもりのお子さんのサポートには最高の先生だと感じました。
     加藤先生は脳科学の分野でも国際的な研究者でいらっしゃり、院長は以前から学会でのご講演やご著書などで勉強させて頂いておりました。
     さらには、日本には数十人しかいない「精神分析家」です。精神分析を学んでいる精神科医やカウンセラーは沢山いて、日本の学会で活動されている人もそこそこいるのですが、取得にはかなりの年数が必要で審査が非常に厳しい国際基準を満たす人だけが「精神分析家」と名乗ることが出来て、加藤先生はその一人です。
     たった一人でこれだけ多くの事をすべて国内ではトップクラスで世界的にも一流のご活躍をされていて、本当に凄い方ですが、とても気さくで、午後の事例検討会での助言者の際も、控えめに優しくクライアントさんやセラピストを支えて下さるコメントで、満員の参加者全員が癒されて、素晴らしい学びが得られました。とても感謝しております。
  • 2024/09/15(日) 9月14日発売の道民雑誌クォリティ10月号(2024年)の特集でインタビューが掲載されました。クォリティの腰の低いまじめで誠実さが伝わってくる某記者さんは、院長が北海道・札幌で初めての精神腫瘍科を開設した時から応援して下さっていました。あまりに丁寧な方なので、有名企業の取締役クラスとは思えないようなお人柄です。その記者さんから、癌患者さんの心の状態について、その改善について、支援・援助の仕方、心療内科的(精神腫瘍科的)な治療についてご質問を頂き、けっこう詳しくお話させて頂きました。同様に、癌患者さんのご家族のサポートや遺族外来についてもインタビューを受け、お話させて頂きました。記者の方は予め関係しそうな心理学・哲学領域についても熱心に勉強されてきて下さり、ついつい詳しく話してしまったので、当初の予想よりも長い記事になってしまいました。
     院内の様子なども写真に撮っていただき、恥ずかしながら紙面汚しになってしまう院長の写真まで載せて下さいました。
     めずらしい精神腫瘍科について、私なりのやり方について語らせて頂きました。医学会での発表や専門誌での論文は、患者さんの感じていらっしゃる苦痛や症状についての統計の話が多く、治療法もある特定のカウンセリング方法や薬剤だけに限定して成果を点数化した内容が中心です。一人の患者さんやご家族やご遺族の気持ちが話題になる事やじっくりと考えてもらえることは稀で、残念に思っております。一人一人の患者さん・ご家族・ご遺族の皆さん其々が違っているはずで、当院では、じっくりと時間をかけて、ただただ苦しいお気持ちを吐露していただいたり、涙を流していただいたり、症状や人生観について語っていただきお聴きすることこそが大事だと思い、続けさせていただいております。一応学術的な理論は色々とあり、それはそれで大事なので、今回のインタビューではその辺をお話させて頂いております。
     書店やコンビニでも売っていますし、喫茶店などにも置かれていると思いますので、お時間がございましたらご覧いただけると嬉しいです。